カエルを含む両生類の卵は、鳥類やは虫類の卵とは違って固い殻ではなく、ゼラチン状の膜で覆われているものが多いです。
カエルの種によって形状が異なるようですが、どんな卵があるのでしょうか。
調べてみました。
卵のかたまり
カエルの多くが、100個から数千個の卵を産みます。
この大量の卵の集まりは卵塊とよばれるもので、卵のうというゼラチン質の膜でおおわれています。
卵のうは、卵の乾燥を防いだり、外敵や衝撃から卵を守ったりする役割を担っています。
丈夫でつぶれにくく、粘着力があります。
卵塊の形はカエルによってさまざまです。
トノサマガエルの卵塊はほぼ球状をしており、ヒキガエルの卵塊はひも状になっています。
ニホンアマガエルの卵塊は小さく、水流に流されて稲の根元などにくっつきます。
木の上、水辺や地中などに産卵するモリアオガエルやシュレーゲルアオガエルなどは、あわ状のかたまりを作ります。
分泌した液体を脚でこね回して、卵が落下しないくらいの固さに泡立てます。
メスはそのなかに卵を産みます。
やがて卵塊のなかで孵化したオタマジャクシが、泡を通りぬけて出てきます。
体内で卵を守るカエル
カエルのなかには、卵が孵化するまで親が体内で守り続ける種もいます。
ダーウィンハナガエルは、メスが産んだ卵をオスが鳴のうに入れて育て、オタマジャクシが幼体になると口から外の世界に出します。
鳴のうというのは鳴き声を大きくするための鳴き袋で、通常、のどや口の両側などにみられます。
ダーウィンハナガエルの場合はのどにあります。
また、ピパという平べったいカエルは、メスの背中にある穴のなかで卵を育てます。
オスがメスの背中に卵を乗せると、24時間後には卵が穴の中に入り込むようになっています。
その後、約77~136日かけて卵が孵化し、子ガエルにまで成長してから穴の外に出てきます。
この習性から、ピパはコモリガエルともよばれています。
まとめ
固い殻とは違ってゼラチンや泡では頼りない印象を受けますが、実際はとても丈夫なもののようです。
ただ、凍りつくと孵化することは難しいようです。
カエルは主に春から夏にかけて産卵しますが、ヤマアカガエルのように冬の間に産卵するカエルもいます。
寒い時期だと外敵が少ないというメリットがありますが、その一方で予想外の寒波などに襲われて凍ってしまうリスクがあるようです。
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