私たちの生活になじみのあるカエル。生きものとしてのカエルだけではなく、可愛らしいキャラクターとしても親しまれています。
でも、どうしてカエルという名前がついたのでしょうか。
由来を調べてみました。
「帰る」性質
カエルには、たとえどこに行ってもまた元の場所に戻ってくる「帰巣性」があります。
また、冬になると冬眠して姿を消し、春になると再び地上に戻ってきます。
こういった「帰ってくる」性質が注目されて、「カエル」という名前がついたという説があります。
万葉集のころには存在していた
万葉集の歌1623番のなかに、「蝦手」(かへるて)という言葉が出てきます。
蝦というのは古語でカエルのことです。
「蝦手」はカエルの手の形に似ていることから、カエデを言い表す言葉です。
縁起がよい名前
「若がえる」「お金がかえる」「よみがえる」など、縁起の良い言葉にカエルをかける場面があちこちでみられます。
たとえば、お財布に小さな作りもののカエルを入れて、お金が返ってくるように願をかけたりしますよね。
こういった風習は江戸時代のころにはすでにあったようです。
江戸時代中期以降には、お伊勢参りをする人がたくさんいました。
伊勢神宮に参拝するために旅をしたのです。
長い道中、無事に行って帰ってこられるようにと、人々がよく携帯したのがカエルの根付だったそうです。
ご利益は世界に及ぶ?
日本では、帰ってくる性質が縁起ものと結びつけられていますが、ほかの国でもカエルを縁起ものとみなすところがあるようです。
たとえば、中南米やアフリカでは、オタマジャクシやカエルの個体数が多いことを多産と豊饒に結びつけ、縁起の良い生き物と考えました。
さらにアジアでは、カエルを水耕の神さまに関係する尊い生き物であるとみなしています。
ほかにも、一部の部族では、カエルの大きな鳴き声に注目し、危険を知らせてくれる守護神であると考えているようです。
このように、あらゆる場所でカエルは人々に幸福をもたらしています。
人の名前がついているカエル
シュレーゲルアオガエルというカエルがいます。
シュレーゲルというのは、江戸時代にこのカエルを研究したシュレーゲル博士のことです。
また、タゴガエルというカエルは、両生類学者の田子勝彌氏にちなんで名づけられました。
まとめ
カエルの由来としては、ほかにも鳴き声からきているという説もあります。ちなみにキリスト教ではカエルを邪悪な存在と考える節もあるようですが、一方ではキリストの復活を象徴する生き物とも考えられているようです。
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