壁やガラスにぴったりくっついてよじ登っているカエルくん。
筆者はたまに見かけます。
指で何かを握っているわけでもなく、壁面にくっついて自分の体重を支える手の吸盤、すごいパワーですよね。
今回はこの、カエルの手の吸盤について掘り下げてみます。
カエルの指の形態
カエルの指は前の手の指は4本、後ろの足の指は5本あります。
もともとはすべての四肢の指が5本あったのですが、前は進化で1本なくなりました。
現在はなくなった1本の指の跡があります。
後ろ足はジャンプや泳ぎの移動の際に必要なため、現在も5本の指が残っています。
そして、カエルの指は、体のわりにとても長いです。
人間で言えば手のひらの部分を除いた、指だけの部分だけで、自分の顔面の縦の長さに匹敵するくらいの指を持つ感じになります。
指の関節はとても柔らかく、可動域もとっても広く自由自在です。
カエルの指先の吸盤の形態
指先の吸盤部分は、大変柔らかく、丸く小さな風船のような形になっています。
吸盤の表面は細かい溝があり、さらに1つ1つの細胞の表面は物凄く細かい支柱状に分かれて、凹んだ形をしています。
見た目は、表面はつるつるとしているように見えますが、実は顕微鏡でみると、たくさんの溝があります。
また、指の吸盤のあちこちに、分泌物を出す小さな穴があります。
窓ガラスに張り付いた後にはネバネバの分泌物が付着します。
この分泌液が指の表面の溝と壁面との間に密閉空間を作ります。
カエルの吸盤は、密閉空間と摩擦力を使って、垂直な壁やガラス面を移動できるように発達したと考えられています。
まとめ
カエルの指の吸盤には、摩擦力と分泌液が壁面との間に作る密閉空間を利用してその吸着パワーを発揮するという秘密がありました。
また、手や指の形状も吸着して移動をするという特殊な能力を得るために特殊な形をしていました。
住む環境に応じて適した進化を遂げていく、まさに生き物の進化の神秘を感じます。
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