木の幹に止まった蛾や、葉に乗っているイモムシ。
これらはまわりの色や模様と似ていて、一回見ただけでは解らない程、見つけにくいものです。
このように、動物や虫の体が、住んでいる場所とよく似た模様をしている事を、保護色と言います。
保護色をした動物には、バッタのように色が変化しないタイプと、カメレオンのように、住む場所によって色を変えるタイプに分かれます。
アマガエルはカメレオンのように場所によって体の色を変化させるタイプに入ります。
それでは一体、どういう仕組みで色を変える事ができるのでしょうか。
その不思議な体の事をご説明いたします。
アマガエルの体の色を変化させる仕組みは?
私達が良く見るアマガエルは黄緑色をしています。
でもたまに姿かたちは同じなのに茶色っぽいアマガエルや、灰色のアマガエルも見かけます。
別のカエルの種類なのではありません。
これは一匹の同じアマガエルです。
実は、アマガエルは『メラニン細胞刺激ホルモン』というホルモンで環境に合わせて体色を変えているのです。
よく見ると緑の葉っぱの上のアマガエルは黄緑色ですし、枯葉や土の上では茶色、コンクリートの上では灰色をしているのがわかります。
どうしてそんな事が出来るのでしょうか。
実は、驚いた事に、アマガエルの皮膚のどの組織を探しても、黄緑色の色素は存在しません。
黄・青・黒色の三種類の色素胞という色素細胞で出来ています。
黄色素胞は白と黄、青色素胞は白と青、黒色素胞は白と黒からできています。
簡単に言うと、カエルは、白・黄・青・黒の絵の具を持ち歩いているようなものです。
そして、自分の体をパレットの様にして、周囲にあわせて混ぜ合わせているのです。
例えば、黄と青を混ぜ合わせれば黄緑色になりますし、黒と白を多く混ぜれば灰色といった具合です。
その配合を決めるのが、ホルモンなのです。
そのホルモンはカエルの目から入った情報で変化をするわけではなく、体で周囲の反射する光の波長を読み取り、分泌されます。
そのホルモン量は、その時のカエルの健康状態や、ストレスで敏感に変わるので、変化する時間もマチマチのようです。
5~6時間で変わる時もあれば、一週間かかる時もあります。
しいて言えば、カエルが危険を感じる程のストレスを感じた時程、早く変化するようです。
また、色の濃さや、種類もホルモンの様子で変化するので、さまざまな環境の色に応じて、絵の具を混ぜ合わせるようです。
まとめ
カエルの色の変化に大きく関わってくるのは、ストレスです。
カエルの気分次第で色の具合や変化する時間も変わってきます。
もし、自由研究等でカエルの色の変化を観察しようとお考えであれば、一匹ではなく、数匹での実験をおすすめします。
数匹を色紙で囲った水槽に入れて観察しましょう。
それは、カエルも人間と同じで個性があり、ストレスに強い奴もいれば、すぐビビってしまう奴もいるからです。
もし、一匹で実験した時、ストレスに強く、多少の変化は気にしないようなカエルだったとしたら、変化しないで実験終了になってしまうでしょう。
直ぐに結果が出るかはやって見ないと解りません。
人間のこんな実験に付き合わされて、うんざりしたカエルが、人間に見つからないように隠れてしまいたい気持ちになって変化してくれるのを待つしかありませんね。
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