外から聞こえてくる大音声のカエルの鳴き声には参ってしまいますが、遠くから聞こえてくるカエルの鳴き声には情緒があり、なんとも言えない美しさがありますよね。
カエルの鳴き声に加えて、しっとりとした雨音が背景にあると格別です。
日本では遥か昔から、この情景が目に浮かぶような美しいカエルの鳴き声が、多くの俳句や詩に詠われてきました。
実は、このカエルの鳴き声。
オスのカエルしか上げないということを、ご存知でしたでしょうか?
何故、カエルはオスしか鳴かないのか?
疑問を解消すべく、調べてみました。
カエルには鳴く器官がオスにしかない!
カエルには、鳴嚢と呼ばれる器官があります。
鳴嚢は両頬脇にあるタイプのカエルと、喉のところにあるタイプのカエルがいます。
頬を膨らませているカエルのイラストや写真を、見かけたことはありませんか?
この鳴嚢という器官を膨らませて震わせ、カエルは鳴き声を上げているのです。
そして、この鳴嚢は、オスのカエルしか持っていません。
何故、オスにしか鳴嚢はないのでしょうか?
カエルが鳴く理由に大きな原因がありました。
主にカエルは繁殖時に鳴き声を上げます。
カエルは繁殖をする時、オスが鳴き声を上げてメスにアピールをする求愛の形をとっているので、繁殖にかけてメスが鳴く必要はないのです。
この時にあげるオスの鳴き声を「広告音」と呼ばれます。
広告音には、メスに存在をアピールすると同時に、他のオスに自分の縄張りを主張するための鳴き声も含まれています。
カエルの求愛行動を鑑みるに、オスだけが鳴く必要があるのは分かりますが、カエルは他にも敵に対峙した時に上げる鳴き声もあります。
蛇や人間といった敵と遭遇するのはオスに限ったことではないのですし、メスも鳴いてもいいのではないか? と、思いますよね。
ですが、広告音にて鳴く機会が多いオスは、相乗してメスよりも敵に見付かる機会や可能性が高くなります。そういった要因もあり、今日までカエルはオスしか鳴かないのかも知れません。
まとめ
カエルがオスしか鳴かないのは、鳴き声を上げる器官の鳴嚢がオスにしかないからで、メスは鳴かないのではなく、鳴嚢がないために鳴けないのでした。
なんぼオスよりも敵に見つかる危険が少ないとは言っても、絶対に見付からないわけではないので、敵に遭遇した時くらいメスにも鳴かせてあげてほしいですね。
追記
トノサマガエルのメスは鳴くことが観察されています。
メスの鳴き声の役割など分かりましたら、また追記致します。
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トノサマガエルのメスを2匹飼っていますが、餌をあげる時に活発な一匹が我先にと身を乗り出しておとなしい一匹の乗っかって来ると、退いて欲しいと伝えるためなのか「キッ!」というような音で鳴きます。
(2匹共、緑色のラインの入っていない正真正銘のメスです。)
コメントありがとうございます。
貴重な情報ありがとうございます!
追記しておきます!
また、メスの鳴き声について分かったことがありましたら記事にしようと思います。