昔、たんぼの近くに住んでいたことがあります。
主に、空が暗がり始める夕暮れ時から夜にかけて「うるさ~い!」と思ったことが何度もあります。
睡眠すらままならない時もちらほら。カエルの大合唱と言われる風物詩ですが、そもそもカエルは何故鳴くのでしょう?
その理由が分かれば、睡眠妨害も少しは許せるようになるかも知れません。
カエルが鳴く理由は生き残るため
まずカエルはよく鳴くことで有名です。カエルの歌なんてものもありますよね。
多くの動物と同じように、カエルの場合も生殖活動が大きな要因です。
カエルは繁殖期が訪れてくると、オスが鳴き声をあげてメスを引き寄せます。
メスはより良い鳴き声のオスに惹かれるわけで、従ってオスは「自分が」「自分の方が!」と競い合って鳴くことになります。
つまり己の子孫を残すために、オスは必死でメスに自分をアピールしているわけです。
また、自分の縄張りを他のカエルに主張するために鳴くこともあります。
ですが、この縄張りを主張する鳴き声は、他のオスを牽制しつつ、自分の存在をメスに主張する目的もあると言われているため、広い意味で生殖活動が目的といっても過言ではありません。
よくカエルの大合唱といわれるものは、この縄張りの主張である場合が多いです。
生殖活動の一環で、鳴かざるを得ない場面は他にもあります。
カエルは繁殖時、オスがメスの背中に覆いかぶさって産卵に至るわけですが、勢い余ってメスが亡くなってしまうことがあります。
背中に乗った重みに加え、産卵を促すためにオスはメスにギュッと抱きつきますので、メスの負担は大きいものです。
加えて、集団繁殖を行うカエルですから、その場面は合戦に例えられるほど入り乱れています。
メスと間違えて、オスのカエルにオスが飛びかかってしまうことがあるのです。
その場合「俺は男だよ!」と、知らせるために鳴くことがあります。
メスに間違われたまま、天に昇ってしまうのは本意ではないですからね……。
他にも、敵が現れ命の危険を感じた時、相手を威嚇するために鳴くこともあります。
まとめ
カエルが鳴く理由を上げてみましたが、いずれの場合もカエルは生きるために鳴いているのでした。
子孫を残そうと必死に、蛇や人間といった敵と対峙した時。
そう思うと、やかましい! と思ってしまうようなカエルの大合唱も、大きな心で許せるような気持ちになります。
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