恋は盲目という言葉がありますが、それは生き物であっても同じです。
ヒキガエルも恋愛の時期を迎えると、いつもと違った行動をとるようになります。
では、いったいどんな特徴が見られるのでしょうか?
繁殖期を迎えたヒキガエルがとる行動は?オスに起こる変化は?
実は、繁殖期を迎えるとヒキガエルのメスもオスも通常では考えられない行動をとります。
オスにいたっては、恋愛に特化した身体の作用が働きます。
それぞれについて、これから詳しく紹介していきます。
繁殖期に見られる特徴的な行動は?
ヒキガエルは繁殖のシーズンを迎えると、自分が生まれた水辺へと向かいます。
繁殖期間の長さは1、2週間と短期間ですので、場所によっては100匹を超す個体が同じ時期に集まりますから、密度は高いです。
繁殖に参加する個体は、メスよりもオスの方が多く観察され、メス1匹に対してオスは2匹~5匹という報告があります。
この時期のオスは、メスのような物体を視覚的に捉えるとリリースバイブレーションという行動をとります。
リリースバイブレーションとは、メスのような物体を見かけると、包接行動(いわゆる抱きつき行動)をとることを意味します。
繁殖期に現れるオス特有の2つの変化!
1つ目は、抱きつき行動(リリースバイブレーション)についてです。
ある実験によって、非繁殖期にこの行動が現れないことが確かめられ、繁殖期に特有の行動であることが確認されました。
2つ目は、食欲の変化についてです。
オスのヒキガエルは繁殖期になると、通常よりも食欲が低下することが実験によって確かめられています。
その原因については解明されていませんが、飢餓中枢が活性化しない、あるいは飽食中枢が常時働いているなどが考えられます。
つまり、ヒキガエルのオスは、この時期を迎えると子孫を残すことのみに特化した体制へと変化していくようです。
まとめ
繁殖期のメスは集団で生まれ故郷へと移動し、最長で1週間かけて産卵を行います。
一方、オスはメスに対する抱きつき行動をとったり、身体の機能の変化により食欲が抑制されたりすることが確認されました。
自然界の中で生き延びていくための知恵というか、命をつなぐ重みというものを感じさせられました。
今のあなたにおすすめの記事