あまり知られていませんが、カエルの身体にはある秘密が隠されています。
それは外敵に襲われた時の手段として、毒性の液体を噴射できるのです。
そこで今回は、ヒキガエルの毒をテーマにして調べていきます。
ヒキガエルの毒の成分には、どんな特徴があるの?卵や幼体は?
ヒキガエルが有する毒には、どんな症状を引き起こすのでしょうか?
卵、オタマジャクシ、幼体と変化していきますが、その際、毒にも変化が見られるのでしょうか?
この2つの疑問に答える形式で、話していきたいと思います。
どんな毒性があるの?
「ブフォトキシン」は、ヒキガエルの鼓膜の裏側にある器官(耳腺)から分泌される、乳白色の猛毒です。
ステロイド系の毒素を含んでいるため、皮膚に付いた場合は炎症反応が現れます。
誤って口にすると、神経系や循環器系に重大な障害を生じ、幻覚・嘔吐・下痢・心臓発作などが引き起こされてしまいます。
最悪の場合は亡くなることもありますが、人間の場合は触った後に手洗いをきちんと行っていればそれほど心配いりません。
皮膚がむき出しのため、細菌やウイルスから身を守るために発達した自衛のための手段です。
ちなみに、「ブフォ」とはヒキガエルの学術名で、「トキシン」は毒を意味しています。
成長過程によって毒に変化はあるの?
卵の状態では有毒ですが、オタマジャクシの状態では無毒に変化し、手足が生えそるようなると毒を持ちます。
これに関連して、ヤドクガエルのオタマジャクシの餌に、ヒキガエルの卵を使ったところ亡くなってしまった事例があります。
世界に目を向けると、アフリカを原産とするオオヒキガエルは、耳腺から外敵に向けて1mも毒液を飛ばすことができるそうです。
このカエルは農業害虫やネズミなどを捕食するので、世界各地の熱帯から亜熱帯地方へ導入されています。
しかし、毒があることを知らせなかったため、フィジーやフィリピンでは、このカエルを食べて亡くなる事例が多発しました。
まとめ
ヒキガエルはステロイド系の神経に作用する、ブフォトキシンという毒を耳腺から出します。
卵とカエルの姿になると毒を持っていますが、オタマジャクシの状態では無毒です。
これはおそらく共喰いなどをした際に、亡くなってしまうのを防ぐための苦肉の策なのではないでしょうか。
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