トノサマガエルが生きるには水田が欠かせず、密接な関係性です。
最近では水田が減少したり乾田化が進んでいるため、同様にトノサマガエルの個体数も減っています。
また、成長する前のオタマジャクシの頃に、水田の中干しにより亡くなってしまいます。
水田で卵やオタマジャクシの状態で見たことのある人は少ないのではないでしょうか。
今では目にすることも難しくなってきたトノサマガエルの卵の大きさや数、特徴についてまとめます。
卵の数
カエルの卵と聞くと、ヒモ状になっているイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし、それはヒキガエルの卵の場合です。
トノサマガエルの卵は、1,000~4,000個で直径20cmほどの固まりになっています。
産卵期
カエルの種類や地域によっても差はありますが、アカガエルの産卵が早く2~3月頃に始まります。
そして次にヒキガエル、シュレーゲルアオガエル、アマガエル、トノサマガエルと続きます。
トノサマガエルは大体4~6月頃になります。
オタマジャクシからカエルになってもすぐには産卵しません。
生まれて3年近く経って大人になってから産卵します。
繁殖期と縄張り
繁殖期の時期になるとオスは水田に集まり、夜間に大きな声で鳴きます。
この鳴き声はメスを誘いつつ、他のオスを寄せ付けないための縄張り意識です。
自分の近く1.6平方m内に他のオスが入ってくる、さらに激しく鳴き跳びかかることもあります。
しかし、この縄張り意識は繁殖期だけの一時的なものです。
メスが接近して来るとオスはメスの背中に抱きつくような姿勢をとります。
メスはその状態のまま縄張りから移動して産卵します。
メスは1度の繁殖期に1度のみ産卵します。
オタマジャクシの成長
孵化したオタマジャクシは、水中の植物や落ち葉や動物の亡骸を食べます。
そして同じ年の秋にはもう変態します。
排水不良で中干し出来なかったり、オタマジャクシの成長過程に水田の水を落としても、水田の周辺の溝に避難可能な水田がなければ成長を完了し切ることは難しいのです。
立派に成長したオタマジャクシが野外でトノサマガエルとして生きられるのは3~4年くらいです。
まとめ
最近の子供はカエルを水田で見かけるという経験をあまりしていないのではないでしょうか。
また、カエルはオタマジャクシの成長後の姿ということも知らないかも分かりません。
オタマジャクシがカエルへと成長できる環境は減ってきています。
自然を守ることは生き物の命を救うことにも繋がります。
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