遠い記憶をたどれば、田んぼの用水路でヒキガエルの卵を触った記憶があります。
ゼリー状のものに包まれていて、感触が心地よかった覚えがあります。
こんな特徴的な卵を産むヒキガエルの産卵をテーマに話していきたいと思います。
ヒキガエルはいつ、どこで産卵するの?適温は何℃なの?
では、ヒキガエルはいつ、どこで、どのように卵を産んでいるのでしょうか?
水温が高くても、あるいは低くても成育に問題は見られないのでしょうか?
これらの質問への回答も含めて、これから紹介していきます。
産卵をする時期は?どこに産むの?
ヒキガエルの産卵は特徴的で、3月から4月になると、今の生活圏から自分が生まれた場所へと時間をかけて移動します。
メスよりも先にオスが移動していることが多く、メス1匹に対してオスが数匹も関わることが珍しくありません。
繁殖期間は10日間前後と短いですので、多くの個体が繁殖期になると集まってきます。
卵は水辺の流れが緩やかなところに、寒天のような物質に覆われた卵のかたまりを産み付けます。
卵のかたまりは、長い紐状で20mにもなり、その中には、多い時で10,000個を超す卵が包まれています。
成育するのに適した温度は?
ある実験によると、産卵直後から4日までは寒さに弱いことが確認されています。
ただし、成長の途中で水温が低くなったとしても、その後の成長に影響は見られないそうです。
逆に、水温が26℃くらいあると、成長の速度は通常の5倍ほど早くなりますが、体の大きさには関与しません。
産卵シーズンは春先ですが、この頃の水温は20℃にも満たない地域が多く見られます。
それは、天敵の生き物の多くが冬眠をしていたり、活動を控えていたりするために生存率が上がるためだと考えられています。
別の側面から見ると、孵化したばかりの幼体がある程度の水温で暮らしていける頃に産卵を行っていると言えます。
まとめ
ヒキガエルの産卵時期は寒さが和らいでくる春先に、集団で産卵を行い、卵は保護物質に覆われた状態です。
産卵した日から4日目までは一定の温度がないと生存率が悪くなりますが、高い水温だと成長が早まります。
これほど深い生存戦略が隠されていたとは、驚きました。
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